『お父さんの財産は、お母さんが一緒に築いたものだから、遺産はお母さんが受け取って…。』

お父さんの残した遺産を全額、お母さんが相続するケースを目にすることがあります。お母さんの老後の生活のために必要なお金だからと言うのであれば、お母さんに残してあげるのが良いと思います。

ただ、相続税がかかるようなご家庭には全額お母さんにと言うのは危険です。

多くの方が、最終的には、お子さんに財産を残したいと言われます。

お父さんのときの相続税と、お母さんがお父さんの財産を引継いだときの相続税と合わせて試算してみないことには、最終的にお子さんに財産を多く残す方法は分かりません。

遺産の分け方一つでも、最終的に残る遺産の額は変わりますので、まずは気軽にご相談ください。（蔵重）

『お亡くなりになる前に、預金を引き出しておいた方が良いと聞いたので…。』

被相続人の通帳の引出しの内容を相続人の方に聞くとそんな言葉をよく聞きます。

お亡くなりになるまでの入院費用やお葬儀代金などを考えるとまとまったお金も必要となりますので、その通りだと思います。

ただし、相続税の対策としてお金を出す言うのであれば誤りです。

生前贈与は相続税対策として有効ですが、身内が生活費以外で勝手に引き出したお金は贈与にあたりません。また仮に贈与の要件を満たしたとしても、お亡くなりになる前3年内の贈与は相続税の計算に含まれます。つまり相続税の対策になりません。

お亡くなりになる前、親族が預金の管理を任されることもあるかと思いますが、生活費や葬儀費用以外の過度な預金の引出しは、他の親族とのトラブルの元にもなりますので、控えた方が良いでしょう。（蔵重）

『遺産は兄弟仲良く分けてね。』

聞こえは良いかもしれませんが、不動産など分けにくいものがあると本当の意味で平等に分けることは困難です。

遺産の行方も決めずに分け方を子供達に託すことは、親のエゴ、相続トラブルの種を蒔いているに過ぎません。

天国で子供達の縁がバラバラになっていく様子を見ないで良いように、自分の財産は自分の意思で決めておくようにしてください。

（蔵重）